Masuk「いや、いい」
しかし和家さんはそれだけ言い、またショーケースへと視線を戻した。
その隣に並びながら、じっと指環を見つめる。
これをもらったときは、とても幸せだった。
まだここに嵌まっているのは私の未練だ。
外すべきだとわかっている。
でも、今はまだできない。
「こういうのはどうだ?」
和家さんが指した先には、三日月にルビーをあしらったペンダントが飾ってあった。
「今、李依はあの三日月みたいに欠けているが、僕が満たして満月にしてやる」
じっとレンズの向こうから和家さんが私を見つめている。
きっと彼は私に同情してくれているんだと思う。
そうじゃなきゃ、こんな好意を向けるわけがない。
「……そうなったら素敵ですね」
ぽっかり空いてしまった私のこの心が、満たされるときなんてくるんだろうか。
ううん、今は考えない。
和家さんと束の間の非日常を楽しむだけだ。
夜は海が見える、素敵なレストランだった。
「それ、似合ってるな」
「……ありがとうございます」
褒められるのはなんだかくすぐったい。
帰ってきて、和家さんに買ってくれたドレスに着替えた。
濃紺の、背中が大胆に開いたドレスは恥ずかしいが、たまにはいいと思う。
「うん、そのペンダントもいい」
「……よかったです」
私の胸もとには三日月が揺れている。
和家さんの〝三日月みたいに欠けている〟というのが今の私にぴったりで、それで気に入って自分で買おうとしたが、現金どころかカードも和家さんの持つ、私のお財布の中。
押し問答の末、最終的に渋々彼に買ってもらった。
食事はフレンチだった。
「李依は今日、二十七になったんだっけ?
僕は三十六だから九つ下なのか」
ワイン片手に和家さんは楽しそうに話し続ける。
「あー……。
そうですね」
『李依の誕生日に挙式なんて素敵だろ?』
なんて言っていたあの人の顔がよぎって、胸の奥がずきんと痛んだが、感情を隠して笑顔を作った。
「……そんな顔をするな」
悲しそうに和家さんがぽつりと落とし、そこから微妙な沈黙がテーブルを支配する。
ハワイにいる間――和家さんと一緒にいる間は、暗くなりたくない。
「でも、今日は和家さんが付き合ってくれて、たくさんいろいろ買ってくださったので、そんなに悪い誕生日じゃないと思います」
きっと彼がいなければ、安いホテルの狭いベッドの上で、膝を抱えて丸くなって過ごしていただろう。
それが、綺麗なドレスを着せてもらい、こうやって素敵なレストランでフレンチを食べている。
それだけでも……って、普通でもこんなに豪華な誕生日はそうそうない。
「そう言ってもらえるならよかった」
眼鏡の奥で目尻を下げ、和家さんが眩しそうに笑う。
そういう顔は心臓が甘く鼓動して、勘違いしそうになった。
デザートになって私の元へ運ばれてきたのは……花火が弾けるケーキだった。
「あの、これって……?」
「今日が誕生日なんだろ?」
それで、わざわざ?
私のために?
「誕生日おめでとう、李依」
「……ありがとうございます」
思いがけないサプライズで胸が熱い。
涙がぽろりと落ちそうになったが、耐えた。
泣いて、崩れたくない。
「李依は本当に可愛いな」
和家さんの手が伸びてきて、私の目尻を撫でた。
「こんな李依と別れて別の女と結婚するだなんて、旦那になるはずだった男は見る目がないな。
おかげで僕にチャンスが回ってきたから、感謝しないといけないが」
「なんですか、それ」
冗談めかして彼が私にウィンクし、落ちかけた気持ちは浮上していた。
食事が終わり、和家さんが部屋まで送ってくれた。
「本当にこのまま、ここに泊まっていいんですか?」
こんな豪華な部屋にひとりで泊まるだなんて、気が引ける。
「いいんだ。
タダだから気にしなくていい」
「タダ……?」
思いがけぬ言葉が出てきて、聞き返していた。
「あー、ちょっとな」
なんて誤魔化してきたが、本当に怪しい。
「じゃあ、また明日」
お茶くらいと言ったが、さっさと和家さんは帰ろうとする。
「あの。
本当に帰るんですか?」
今日こそ抱かれるのだと思っていた。
そうじゃなきゃ、いくら同情しているからといって、あそこまでいろいろするわけがない。
「なんだ、泊まっていいのか?」
私を見下ろす和家さんは、真顔でなにを考えているのかわからない。
「泊まるってことは李依を抱くってことだが、いいのか?」
「え、いや、……よくない、です」
いくら覚悟のようなものが決まっていても、聞かれれば拒否してしまう。
「それは残念」
和家さんが小さくくすりと笑う。
……からかわれた。
そう気づいて頬が熱くなった。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
笑顔の彼を最後にドアが閉まる。
リビングまで戻ってソファーにバタンと寝転んだ。
「……わけわかんない人」
私のどこを気に入ったのかさっぱりわからない。
でも彼に甘やかされるのは、……嫌じゃ、ない。
「パパー、おかえりしゃい」「ただいまー、みちかー」出迎えた娘を悠将さんが抱き上げる。「李依もただいま」「おかえりなさい」空いた手で私を抱き寄せ、悠将さんはキスをした。「調子はどうだ?」「順調ですよ」今、私のお腹は大きく膨れている。二人目を妊娠していた。リビングに向かいながら、後ろから着いてくる運転手をちらり。彼の手には例のごとく、大量の箱と紙袋が持たれている。「……また、買ったんですが」「……いいだろ、別に」よくない! とかツッコミたい。最初は広い家だと思っていたが、今では悠将さんの買ってきた子供用品と私の服で溢れそうだ。「ほら、満華。お土産だぞー」「わーい!」ぴょんぴょん跳びはねる満華の横で、にこにこ笑いながら悠将さんが買ってきたものを開けていく。それは、この家の下見に来たあの日、見た幻そのものだった。……ああ、幸せだな。可愛い娘がいて、素敵な旦那様がいる。それに、もうすぐ二人目も。悠将さんは約束どおり、私を幸せにしてくれた。私も悠将さんも幸せにできていたらいいな。「うわーっ、おひめしゃまだー!」悠将さんが取り出したのは、フリルたっぷりのワンピース……というよりも、もはやドレスだった。「だろー、パパは約束を守るからな」悠将さんは得意げだが、そういえば今回、日本を立つ前にお姫様もののアニメを満華と一緒に観ていて、満華もお姫様になりたいとかねだられていたな……。「あとはティアラに……ネックレスに……イヤリングに……」「……ちょっと待ってください」次々に取り出されたそれらに、とうとうツッコミを入れた。「もしかしてそれって、本物とか言いませんよね?」「ん?ダイヤとプラチナで作ってもらったが?」「ああ……」それを聞いて崩れ落ちてしまったが、仕方ない。子供のおもちゃに本物を買ってくる人がどこにいる?ここにいるんだけど。「イミテーションでいいんですよ、イミテーションで」それでも子供のおもちゃと思えない、高級なものが出てきそうだが。「なんだ、李依も欲しかったのか?心配するな、お揃いで作ってある」悠将さんが新たに開けた箱の中から、同じデザインのネックレスが出てきた。「僕のタイピンも作ったんだ」さらに同じモチーフのタイピンが取り出される。「男の子はなにがいいのかわからなかったん
「だから、まだジャニスにやり直す気があるのなら、手を貸してやろうと思った。それだけだ」ぽりぽりと人差し指で、彼が頬を掻く。悠将さんは自分が気づいていないだけで、凄く優しい。こんなに優しい人が私の旦那様で、そして子供の父親でよかったと思う。「それにしてもアイツ、僕に『和家様!』とか言って過剰な接待をしてくるのはなんでだろうな?」悠将さんは不思議そうだが、私に聞かれてもわからない。「あ、そうだ」立ち上がった悠将さんが荷物の中からなにかを探し、戻ってくる。「ジャニスが李依に、って。妊婦も大丈夫なリラックスできるアロマスプレーだって言ってた」「へー」軽く空間に向かってスプレーしてみたら、ラベンダーのいい匂いが広がった。「好きな香りだし、いいかもです。お礼を言っておいてください」「わかった。というか、エステに来るときはぜひ連絡くれ、私自身がお相手をしたいので、とか言っていたぞ」「はい……?」まだ私に敵対心を燃やしている……とかないと思いたい。「李依様は和家様の大事な奥様で、和家様の御子を産む大事な身体なのですから、大事にせねばなりません……とかなんとか言っていた。聞き流していたが、あらためて思い出すと気持ち悪いな」不快そうに眼鏡の下で悠将さんの眉が寄る。これってもしかして、尊敬がすぎて崇拝になっていないかな……?ちょっと心配だ。「……ん?」「李依、どうした?」私が微妙な声を出し、怪訝そうに悠将さんが顔をのぞき込む。「なんか今ちょっと……」……ズキッとしたような?「もしかして陣痛じゃないのか?」「そうなんですかね……?」なにせ、初めてなのでわからない。「病院、今すぐ病院に行こう!」「えっと、そこまで慌てないでいいので……」「今すぐ生まれたらどうするんだ!?」らしくなく慌てふためいている悠将さんを見ていたら、反対に冷静になってきた。でも、ちょうどいいタイミングでよかったな。出産予定日にあわせて帰ってはきたけれど、少しズレていたら立ち会えなかったもんね。深呼吸したら落ち着いたらしく、病院に向かう車の中でも、着いてからもずっと、悠将さんはどっしりとかまえて手を握っていてくれた。そして――。
私の予感は的中し。「李依、ただいま!」一週間ぶりに帰ってきた悠将さんの後ろには、いくつも積み重なった箱を抱えている運転手が見える。それにはぁーっとため息をついてしまった私に罪はない。だって。「……また、買ってきたんですか?」「だって可愛いのがあったからさー」あったからさー、じゃないです。そうやっていつもいつも買ってくるから、家の中は子供用品であふれかえっていますが?買ってきたものは仕方ないので運び込んでもらう。今日はおままごとセットに、お姫様セット、あとは洋服や靴だった。性別がわかる前はどちらにもOKなぬいぐるみやユニセックスなデザインの服。女の子らしいとわかってからは拍車がかかり、可愛らしいお洋服を山ほど買ってくる。そういえば、ハワイでも私に死ぬほど服を買ってくれたなー。これは、悠将さんの仕様なんだろうか。夕食を食べたあと、リビングのソファーでまったり過ごす。「お腹、大きくなったな」「そうですね、もういつ生まれてもおかしくないです」とうとう臨月に入った。会社も少し前に産休に突入。私としては子育てが落ち着いたら復帰したいところだが、ハイシェランドホテルとの契約が決まってからというもの軽く役員待遇で居心地が悪いので、こちらはちょっと考えている。それにその頃には、アメリカに渡っているかもしれないし。後ろから私を抱き締めて座り、悠将さんがいつものように口付けの雨を降らしてくる。「そうだ。エステサロンを買ったんだ。マタニティエステもやる予定らしいから、李依も利用したらいい」……まさか、私のために買ったりしてないですよね?悠将さんならやりそうだから怖い。「べ、別に李依のために買ったわけじゃないぞ?」私の疑惑の視線に気づいたのか悠将さんは慌てて否定したけれど、眼鏡の奥で目がきょときょとと忙しなく動き、視線も合わせないとなると疑わしい。「ジャニスが心機一転、新しい事業を立ち上げると言うから、出資したんだ。アイツのホテルでやっていた、ジャニスプロデュースのエステは評判よかったからな。きっといいエステサロンになると思うんだ」これってあんな厳しいことを言っていながら、ジャニスさんを救済したんだろうか。「評判が上がればうちのホテルに導入してもいい。先行投資というヤツだ」まだ私のため疑惑は拭えないが、とりあえず他の理
……その後。「李依ー、ただいまー!」「おかえりなさい」ドアから飛び込んできて速攻抱きつき、キスしてくる悠将さんには苦笑いしかできない。「聞いてくれ。ジャニスのホテルを買ってきた!」「……は?」超うきうきな悠将さんが、いったいなにを言っているのかわからない。ホテルって、コンビニでおにぎり買うみたいに買えるもんなの?「一度まっさらになって考え直したいのでホテルを買ってくれ、なんてアイツらしくなく殊勝に言ってきたから、好条件で買ってやったよ」ジャニスさんはホテルを失ったわけだし、いい結果なのか悪い結果なのか私にはわからない。そのあとしてくれた説明によると、悠将さんはジャニスさんのホテル買収を画策していたらしい。しかも、彼女が応じなければかなり強引な手段も考えていたみたいだ。しかし、ジャニスさんからホテルを買ってほしいと真摯に相談され、できるだけ彼女の希望に添う形で買い取ったそうだ。これってジャニスさんが心を入れ替えたからなんだろうか。そうだったらいいな。「李依、お腹少し大きくなったか?」ソファーで後ろから私を抱き締める悠将さんの手が私のお腹を撫でる。「わかりますか……?」五ヶ月に入り、お腹の膨らみがわかるようになってきた。でも服を着ていたら気づかない程度なのに、悠将さんにはわかっちゃうんだな。「可愛いなー、男の子かなー、女の子かなー」悠将さんはにこにこしっぱなしで、私も自然と頬が緩んできちゃう。「悠将さんはどっちがいいんですか?」「そうだな、女の子は李依に似て絶対可愛いだろうし、男の子も可愛いと思うから悩むな……」真剣に悠将さんは悩んでいるが、そこまで?「……でも、男の子だったら形は違うとはいえ、お父さんとキャッチボールの夢が叶うんだよな……」淋しげに悠将さんが眼鏡の奥で目を伏せる。……んんっ!絶対私、男の子を産む!産んでみせる!……とかいうのは半分冗談として。「……父とキャッチボールは、どうですか……?」たぶん、父なら喜んで悠将さんの相手をしてくれると思う。悠将さんの夢はできるだけ叶えてあげたい。「李依のお父さんと……?」「はい。頼んでみましょうか?」「いや、いい」あっさり断られ、出過ぎた真似をしたのかと思ったものの。「……そうか。僕にはもう、お父さんとお母さんがいるんだ」ふふっと小さ
次の健診も経過順調だった。出社前にこの間のカフェで昼食を取る。「ハロー」聞き覚えのある声がしたあと、誰かが私の前に座った。顔を上げると予想どおりジャニスさんがいる。たぶんどこかで、私が来るのを見張っているんだろう。今日も私の許可など取らず、勝手に注文して居座った。「悠将、ホテルをひとつ失っちゃったわね。可哀想」「……そう、ですね」グループのホテルのひとつが、ジャニスさんの買収に応じた話はすでに悠将さんから聞いている。彼は私のせいじゃないから気にしなくていいと何度も言ってくれたが、それでも心苦しい。「それだけ?あなたのせいなのよ?どうする気?」ジャニスさんは愉しそうにニヤニヤ笑っていて、性格悪いなと思う。そんなところが悠将さんと合わないのだと気づかないのかな。「私はただ、それでも私を愛してくれる悠将さんを、精一杯愛して、幸せにするだけです。悠将さんもそれでいいと言ってくれました」私の答えで鼻白み、不機嫌そうにジャニスさんはグラスを口に運んだ。悠将さんは渡しのせいじゃないと言ってくれたが、それでも心苦しい。きっと償いなどと言ったらまた怒られるだろうが、それでもこれが私なりの償いだ。それにきっと、これなら彼も許してくれると思う。「あなたこそ、大丈夫なんですか?悠将さんのホテル買収なんて派手なことをしていますが、……経営、苦しいそうですね」さっと彼女の顔に朱が走る。……本当、なんだ。悠将さんから聞いたときは、まさかと信じられなかった。けれど従業員の対応が悪いとSNSで噂になっていて予約が減っていると教えてもらえば、なんか納得した。「そ、そんなこと、あるわけないじゃない」強がりを言いながらも彼女の声は震えている。「なら、いいんですが」嫌な思いをさせられたんだからやり返してやれと悠将さんから教えられた話だけれど、ちょっとフェアじゃないなと心が痛い。無言で残りを食べてしまう。ジャニスさんの料理も運ばれてきたが、彼女はなに言わずにもそもそと食べていた。食べ終わり、席を立つ前に声をかける。「悠将さんから伝言です」私の言葉でぱっと彼女の顔が上がった。「こんな卑怯な手を使わず、正々堂々合併や融資の相談をするのなら話は聞く、……だ、そうです」みるみるジャニスさんの顔が恥辱に染まっていく。「私は、これで」彼女
悠将さんの今回の帰国は、一週間ほどなのらしい。「なのに引っ越しなんてしていていいんですか……?」帰ってきて翌々日に、ホテルから購入した家に移った。アメリカに発つ前に手配した家具などはすでに運び込まれていたし、幸いなのか私の荷物も出ていくつもりでまとめてあったので、よかったと言えばよかった。しかし忙しいだろうに、家移りなんてよかったのか気になる。「んー?今回は引っ越しするために帰ってきたんだ。ホテル住まいも悪くないが、李依は落ち着かないようだったからな」無言で彼の顔を見上げる。まさか、気づいていたなんて思わない。綺麗に整えられているホテルは楽だったが、そのために従業員だけだとはわかっているとはいえ、不特定多数が部屋へ入るのを気にしなければならない。それがいつまで経っても慣れなかった。「これでゆっくりできるだろ?」「そうですね、ありがとうございます」一緒に窓際に立って庭を眺める。「でも、ブランコは必要ですか?」そこには可愛らしい白のブランコが設置してあった。「必要だろ?」「あと、滑り台も」「いるに決まっている」悠将さんはドヤ顔で頭が痛い。これらは相談なく置かれ、今日ここに来て初めて知った。「……そうですね、あるといいかもしれませんね」「だろ?」本当に嬉しそうに悠将さんが笑う。家が嫌いだと言っていた悠将さん。嫌いだから、滅多に帰らない。その悠将さんが楽しそうに家のことをあれこれ考えているのは、私も嬉しい。ここを、悠将さんが帰ってきたくなる家にする。これが当面の、私の目標だ。引っ越しが終わり、落ち着く暇もなく悠将さんはアメリカに戻っていった。やはり、ジャニスさんからのホテル買収でバタバタしているらしい。今日は休みだったので、家からお見送りした。「悠将さん。今日は寒いので、よかったら」腕を伸ばし、自分が編んだマフラーを彼の首に巻く。「これは?」「私が編んだんです。お気に召してもらえるといいんですが」色、チャコールグレーにして正解。スーツやコートの色と合っているし、悠将さんによく似合っている。「李依が?僕のために?」「はい、そうですが」悠将さんは微妙な反応で、やっぱり手編みなんてダメだったのかと思ったけれど。「ありがとう、李依!」いきなり、悠将さんから抱きつかれた。「手作りのプレゼン







